May 11, 2022

前輪ラックの大革命

予ねてより考えて来た新たな発想を取り入れたサイクルラックのプロトタイプを5月18.19日と東京ドームシティで開催される“バイシクルシティーエキスポ”に出展します。これに先立ち製品化に向けての取り組み状況をご報告させて頂きます。

これまでインテリアや景観配慮といった側面に意識を傾けながら自転車スタンドをデザインすると同時に自転車スタンドにおけるデザインとは、一体何なのか?と考えさせられることが強くございました。駐輪環境の改善という大きな目標を掲げるなかで素材をはじめ色や形が生み出す見た目の美しさは当然必要なことでは有ると考えますが、やはり自転車スタンドを利用されるユーザーが使いやすいことやこれまでの不満を解決出来てこそ良いデザインだと思うのです。そしてデザインの根源になるアイデアも同じことだと思います。

只そうした利用者目線での問題解決をクリアした製品が不動産デベロッパーや自治体など発注者側のニーズに繋がるかと言われると正直相反するところがあるかも知れません?前途多難なスタートを覚悟して少しでも自転車利用者の一助になるよう努力してまいります。

固いことはさて置き今回は取り敢えず見た目の美しさは後回しにして、駐輪ラック利用者のチョットした不満というかこれまでの駐輪ラックとの相性ダメダメ問題を解決できるアイデアを取り入れることに成功です!

☆前輪ラックの問題点と解決策

一般的に公共の場(屋外)で使用されるサイクルスタンドは大きく分類して2種ございます。一つは、駅前の駐輪場や大型マンションの駐輪場で使用されている”駐輪ラック”と呼ばれるもので、上下2段式になっているタイプや収納台数を増やすために考えられた左右にスライドするタイプのことを差します。もう一つは、シェアサイクルのポートや歩道などに設置された掛金式タイプならびに小中規模の集合住宅などでよく利用されている前輪で支持するタイプのものがあり、これらを”前輪ラック”と呼びます。さらに前輪ラックには機構的に2種類あり

参考図A:前輪を差し込むタイプ       参考図B:前後で固定されるタイプ

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で、これら前輪ラックが持つ問題点と使用実態を見てみます。まず、前輪ラックの役割は4点あると私は解釈しています。

① 駐輪スペースへのアナウンスやアイコン的な要素

② 自転車を整列させること

③ 自転車が風や不可抗力によって倒れないようにする

④    それらが課金式であれば言うまでもなく収益化が加えられる

基本的に自転車ラックと称されるものを設置した時点で①と②は自動的に目的を果たしますので、サイクルスタンドメーカー各社は③を重点的に設計やデザインしていると思いますが、当方の調査によると利用者は自転車本体に装備されている自立スタンドを前輪ラックと併用されるケースが殆どである。

自立スタンドといっても軽快車に装備されることが多い一本の棒状で支える片足スタンドと一般的なママチャリや電動アシストサイクル・子供乗せ自転車にはシッカリ自立させることが可能な両足スタンドが装備されている。

問題はこの両足スタンドと地面に設置された前輪ラックを併用する時に発生します。

両足スタンドで自転車(車体)をスタンドさせるアクションは2通りで、後輪を持ちあげてスタンドを叩く方法(X)とスタンドを地面に押し付けてそこを起点に車体を後退させる方法(Y)があります。

方法(X)                   方法(Y)

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前輪ラック図Aタイプ・図B タイプどちらを利用する場合でも(X)のアクションを取った場合、前輪ラックは正常に機能されますが、(Y)のアクションを取った場合 図Aタイプの前輪ラックでは車体が後退することにより前輪ラックの支柱から前輪が抜けてしまい正常に役目を果たさない結果となります。また、図Bタイプの前輪ラックの使用に至っては前輪が前後で支持されている為そもそも(Y)のアクションが取れず必然的に車体後部を持ち上げる(X)のアクションを強いられる結果となります。

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要するに既存の前輪ラックは利用者に対し後輪を持ちあげて自立スタンドを掛けるよう求めていることになるのです。

ところが、各社自転車メーカーは自立スタンドを地面に押しつけて車体を後退させる方法アクション(Y)が正しいスタンドのかけ方として推奨されています。

テコの原理を利用したアクション(Y)は安全かつ少ないチカラでスタンドすることが出来るため当然です!

近年では電動アシストサイクル車はもちろん加えて子供乗せ自転車の普及が目立ちます。それら自転車(車体)は非常に重く(A)のアクションを取るには結構な重作業であり、女性やご年配の場合、後輪を持ちあげることすら出来ないかもしれません。

これらの問題を解決するべく研究を重ねて来た結果、スライドする前輪ラック(仮称モドルラック)のプロトタイプを出展する段階まで辿り着きました。展示会では各方面の専門家からのご意見を参考に商品化を目指したいと思います。

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最後に、環境問題による意識の高まりに相まってモビリティとしての自転車利活用が見直され始めたいま、自転車(車体)の進化によって生まれてしまった利用者の悩みや不満を解決すると同時に今後も駐輪環境の向上にユーザー目線からお手伝いできれば幸いです。

後日、解説動画のUPを予定しております。

 

 

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